人気の絵本作家・酒井駒子さんのプロフィールと絵本を徹底紹介

人気絵本作家 酒井駒子特集

こんにちは、ママえほん管理人マヅメミユキです。

今回は、大人にも人気の絵本作家、酒井駒子さんをご紹介したいと思います。
「大人向け絵本の女王」とも呼ばれる酒井さんは、その圧倒的な画力と世界観で、オトナ女子のファンも多く、海外でも高く評価されています。
一体どんな作家なのか?どんな作品があるのか?人気の秘密は?
プロフィールや絵本作品を徹底紹介していきたいと思います。

プロフィール

酒井駒子(さかい こまこ)
1966年、兵庫県生まれ。血液型はAB型。
東京在住で、2匹のロシアンブルー、ミツとコトと暮らしている。
一番好きな絵本作家は、マーガレット・ワイズ・ブラウン。
また、アーディゾーニ、エッツ、クレメント・ハード、上野紀子にも影響を受けた。

小学校5年生の終わりまで大阪の団地で育ち、その後三重県のニュータウンに引っ越す。
中学生の頃にすでに絵本作家になりたいと思っていた。
高校卒業後、1浪して東京芸術大学美術学科油絵科に進学し上京する。
大学在学中は芝居にハマり、アングラ劇団で芝居をしていた。
子役をすることが多かった。

大学卒業後、暫く役者をしていたが、パリへ行った友人を頼って渡仏。
1年ほど「特に目的もないし、お金もないし、言葉もわからない。ただウロウロして、ものを拾ったりする毎日(本人談)」を過ごしたのち帰国。
帰国後、キャラクターデザインの事務所など、デザイン事務所にいくつか勤務し、着物のテキスタイルデザインのアトリエに5年ほど勤務したのち、絵本作家を目指し独立。

講談社の絵本賞に応募し、佳作を受賞。
絵本のワークショップ「あとさき塾」へ通い始める。
1998年「リコちゃんのおうち」で絵本デビューを果たす。
多くの絵本作品がアメリカ、フランス、オランダ、ドイツなどの欧米諸国や、韓国、台湾、中国などのアジア諸国でも翻訳出版されている。
絵本以外にも書籍やCDなどの装画の仕事も多数手がけている。

受賞歴

2004年 『きつねの神様』(文:あまんきみこ)で第9回日本絵本賞受賞
2005年 『金曜日の砂糖ちゃん』でブラチスラバ世界絵本原画展(BIB)金牌受賞
2006年 『ぼく、おかあさんのこと・・・』でフランスPITCHOU賞、オランダZilveren Griffel(銀の石筆)賞受賞
2009年 『ゆきがやんだら』でオランダZilveren Griffel賞受賞、ニューヨーク・タイムズの「2009年の子供の絵本最良の10冊」に選ばれる。
2009年 『くまとやまねこ』(文:湯本香樹実)で第40回講談社出版文化賞受賞

 

作品の特徴と人気の理由

「静謐な」と表現されることが多い酒井駒子さんの作品。
静謐(せいひつ)とは、「静かで落ち着いていること」という意味。
子供のどこか不安定で儚げな心をそっと静かに見つめるような世界観が人気です。

ビロードのうさぎ

黒をベースとした絵

一番の特徴は、黒をベースとしていること。
画材はアクリルガッシュやダーマトグラフなどの油性鉛筆、3色ボールペンを主に使用しているそうですが、下地に黒を塗り、その上に色を重ねる手法で描かれています。
表面のかすれの下から覗く黒が、アンティーク家具のような重厚さとどこかノスタルジックな魅力を放っています。
夜のシーンが描かれることが多いのも特徴で、酒井さんの描く「夜」にはなんとも言えない魔力が秘められている気がします。

ちなみに、絵本デビュー作品『リコちゃんのおうち』と2作目の『よるくま』は白ベースで描かれています。
全くタッチが異なり、別人の絵かと思うくらい印象が違っています。読み比べてみると面白いですよ。

 

抜群の画力とセンス

芸大の中の東大とも言われる東京芸術大学を卒業しているだけあって、デッサンを基本とした画力の高さは抜群です。
子供独特の仕草や視線を描くのが上手く、酒井さんの描く子供たちはなんとも言えない愛らしさ。
また、動物を描くのも上手いのですが、中でも猫はもう・・・猫好きなら悶絶必至なのは間違いありません。

色彩や、モチーフの選び方、構図などのセンスも素晴らしく、芸術的でありながらオトナ可愛い魅力は多くのオトナ女子たちを虜にしています。

 

独特のリズムと距離感へのこだわり

酒井さんの絵本のもうひとつの魅力が、独特のリズム感を持った文章。
少しつまずくような、話し言葉に近い感じが声に出して読むとなんとも言えない心地良いリズムなのです。
『よるくま』や『ロンパーちゃんの風船』など、寝かしつけの時に読むと親子とも穏やかな気持ちになります。

また、酒井さんは物や「子供は子供の存在のまま描きたい」という思いがあり、お母さんと子供の距離感や、物や人の距離感にこだわってお話を作るそうです。
酒井さんの絵本に登場する子供たちのわざとらしくない子供らしさは、こういったこだわりから生まれているのかもしれません。

 

絵本作品一覧

現在までに酒井駒子さんが手がけた絵本の全作品をご紹介します。

おすすめ4作品

特におすすめの絵本を4冊ピックアップしました。

おやすみ前におすすめの1冊

『よるくま』 1999年
「ママ あのね」で始まる、おやすみ前の男の子とお母さんの会話。
お母さんを探して男の子のところにやって来た真っ黒なくまのこ「よるくま」と一緒にお母さんを探しに出かける男の子。探しても探しても見つからないお母さん。よるくまはついに泣き出して・・・
働くお母さんには是非読んで欲しい、ファンタジックなぬくもりに溢れたお話です。
我が家の3歳の息子もお気に入りで、読んだ後にギューっと抱っこをして眠りにつきます。

 

これこそ大人のための絵本

『金曜日の砂糖ちゃん』 2003年
酒井さん自身ずっとやりたかった大人向けの絵本を形にした1冊。
「金曜日の砂糖ちゃん」「草のオルガン」「夜と夜のあいだに」の3つのお話が収録されています。
夜中にひとりでそっと読んで、酒井駒子さんの世界を堪能してみてはいかがでしょう。

 

生涯の1冊になる絵本

『ビロードのうさぎ』(原作:マージェリイ・W・ビアンコ) 2007年
酒井駒子さんが抄訳も手がけた絵本。
クリスマスにプレゼントされたビロードのうさぎ(ぬいぐるみ)はぼうやの一番のお気に入りとなります。そして「子どもに愛されたおもちゃは いつかほんものになれる」と知ったうさぎですが・・・
誰にでもある子供の時一番大好きだったおもちゃとの記憶。それを思い起こさせてくれる珠玉の1冊です。大人になっても何度も読み返したくなるお話です。

 

「死」や「別れ」と向き合う1冊

『くまとやまねこ』(文:湯本 香樹実) 2008年
ある朝、なかよしのことりを亡くしてしまったくま。
ことりの死を受け入れることができないくまは、亡骸を小箱に入れずっと持ち歩き、家に閉じこもってしまいます。けれどある日くまはやまねこと出会って・・・
薄く剥いだ厚紙に黒いアクリルガッシュで描いたという絵は、くまの心をそのまま表現しています。心の痛み、そして再生を描いた1冊。

 

全絵本紹介

『リコちゃんのおうち』
大好きなお人形遊びをしているところをお兄ちゃんに邪魔され、ママにもらった段ボールでおうちづくりを始めたリコちゃん。
子供の大好きなごっこ遊びの楽しさが詰まったお話です。

 

『ぼく おかあさんのこと・・・』
ぼく、おかあさんのこと・・・キライ!
ねぼすけで日曜日の朝はいつまでもいつまでも寝てるし、ドラマばかりみてマンガみせてくれないし、すぐ怒るし・・・。
お母さんが大好きすぎる男の子とお母さんのやりとりがクスッと笑えます。

 

『よるくま クリスマスのまえのよる』
大人気の『よるくま』のクリスマスバージョンのお話です。
クリスマスイブの夜、たくさん叱られて僕は悪い子だからサンタさん来ないかも、とションボリする男の子の元へよるくまがやって来ます。クリスマスを知らないよるくまに、男の子はクリスマスやサンタさんを教えてあげて・・・
クリスマスプレゼントにもおすすめの1冊。

 

『赤い蝋燭と人魚』(文:小川未明)
酒井駒子さんが中学生の時、すでにページ割りまで考えていたという絵本。
悲しく深いストーリーと酒井さんの絵がマッチして、ダークな世界観が広がっています。

 

『こりゃ まてまて』(文:中脇初枝)
幼い女の子がお散歩中に出会ったちょうちょ、トカゲ、ハト、ネコを「こりゃ まてまて」と次々に追いかけます。
1歳くらいの子供のたどたどしい動きが見事に描き出され、なんとも言えない愛らしさです。

 

『ロンパーちゃんとふうせん』
黄色い風船をもらったロンパーちゃん。お母さんがスプーンにくくってくれ、絶妙なバランスでフワフワ浮かぶ風船とすっかり仲良しになったロンパーちゃんでしたが・・・
ロンパーちゃんの愛らしさと、心地好いリズムの文章が素敵なお話。
海外でも人気があり数カ国で翻訳出版されています。

 

『きつねのかみさま』(文:あまんきみこ)
公園に縄跳びを忘れた姉弟が取りに行くと、狐の子供が縄跳びをしています。こっそり覗いていたら見つかってしまい・・・
女の子の話し言葉で展開されるストーリーと、酒井さんの黒を基調とする絵が融合して、大人も子供も楽しめる絵本になっています。

 

『こうちゃん』(文:須賀敦子)
随筆家の須賀敦子さんが生前ただ一つ遺した物語を酒井駒子さんの絵で綴ります。
こうちゃんという不思議な存在が様々な場面で現れては消える、詩のような散文のような、哲学的な香りがする読み物です。

 

『ゆきがやんだら』
雪が降って保育園はお休み。お母さんと二人きり、団地の部屋で過ごすうさぎの男の子。夜になって雪がやむと・・・
団地育ちの酒井さんの子供の頃の記憶がリンクする、冬にぴったりのお話。雪が降った日には読みたくなります。

 

『BとIとRとD』
月刊MOEの大人気連載の待望の絵本化した8編のストーリーを収録した大人向け絵本。
子供の世界の一瞬一瞬をすくい取ったようなお話の数々。画集のような魅力も備えた1冊です。

 

『くさはら』(文:加藤幸子)
家族で河原に遊びに来ていた女の子は、ちょうちょを追いかけてくさはらへ迷い込みます。背の高い草に囲まれ、ちょうちょには逃げられ・・・
女の子が波に飲まれるように緑の草に囲まれた世界と、目を閉じた暗い世界とのコントラストが見事に描き出されています。

 

『はんなちゃんがめをさましたら』
夜中に目が覚めてしまったはんなちゃん。猫のチロと一緒に、真夜中の家の中でいろんなことをしてみます。
酒井さんの得意とする深夜の魔法の時間が存分に堪能できるお話。

 

『しろうさぎとりんごの木』(文:石井睦美)
森の中の小さな家で生まれたしろうさぎの子。ある日、しろうさぎはりんごをかじってみたくて、一人で庭の木の下までお出かけをします。そこでしろうさぎがかじったのは・・・
小さなうさぎの、小さな幸せを描いた絵本です。

 

『まばたき』(文:穗村弘)
ちょうちょが飛ぶとき、鳩時計が12時を告げるとき、猫が動き出すとき、角砂糖が紅茶に溶けるとき、そして少女に呼びかけるとき…。短いようで長い、長いようで短い、「瞬間」という感覚を描いた絵本です。
ラストの女の子「みつあみちゃん」のまばたきには思わず「あっ」と声が出てしまいます。

 

『ヨクネルとひな』(文:LEE)
ぼそぼそで痩せっぽちの子猫をお母さん猫に託された女の子「ひな」とお母さん。最初は「ねこを飼うならペットショップの可愛い子がいいのに」というひなですが、お世話をするうちに段々と愛着が湧いて来ます。ところが・・・
とにかく子猫が可愛い!その一言に尽きます。
文を担当したLEEさんも絵を担当した酒井さんも猫を飼っているので、これは猫好きのための絵本なのかもしれません。

 

絵本じゃないけどおすすめ

 

『森のノート』
2017年9月に出版された、酒井駒子さん初の画文集。
酒井さんの暮らしの断片を切り取って集めたエッセイと絵によって、まるで酒井さんの森の家にお邪魔しているかのような気持ちになります。
森のマイナスイオンが溢れているのか、読んでいると心が穏やかになる1冊。

 

まとめ

というわけで、今回は酒井駒子さんを特集しました。

酒井さんは絵に注目されることが多いのですが、ストーリーや文章にも独特の世界観やリズムがあり、声に出して読んでみるとその良さがよく分かります。
大人向け絵本のイメージが強いので「子供は喜ばないかも?」と思う方もいるかもしれませんが、そんなことはありませんよ。
実際、我が家の息子は『よるくま』をはじめ、『ロンパーちゃんのふうせん』や『ゆきがやんだら』を気に入っています。

今回は絵本に絞ってご紹介しましたが、酒井さんは童話の挿画作品も多数あります。
いずれ童話の方もご紹介できればと思います。お楽しみに。

今後もまた人気の絵本作家さんを特集していきたいと思います。
「あの作家さんを特集して欲しい!」というリクエストがあれば、ぜひコメント欄にお寄せください。お待ちしています。

Commentsこの記事についたコメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です